七月末日

 

 驚く速さで日々は過ぎていって、まるで私だけ止まっているみたいだ。昨日食べたご飯も、一昨日会ったあの子との会話も、どんどん忘れてしまって、なにもかも思い出せなくなってしまうのだろうか。人生は要約できない、だなんて聞いたことがあるが、様々な些細な出来事(今日あの人とあんな会話をした、とか、今日はいつもと違う道で帰った、とかそういうもの)がいちばん人生の中で重要だったりするのかな。そういうもののために毎日日記などを書いたほうがよかったりするのか。

暦の上ではあっという間に7月が終わり、夏休みが始まろうとしている、らしい。夏休みってもっとわくわくしながら始まったような気がしていましたが、期日が来週の土曜までのレポートもあったりしてまだ始まっていないような、始まってしまったような、不思議な気持ちです。レポートやらないといけないのに、エヴァンゲリオンを見始めてしまいました。全て明朝体にしたい。友達がいろんなひとと約束しているのをよく見ます。夏って感じがすごい。わたしのスケジュール帳はなんだか、バイトと恒例行事くらいしかはいっていないので今まで通りで夏が終わってしまいそうだ。お祭りとかあとなんか、他も、だれかいきましょう、いきたいです私も。

 

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 そういえば、先日引っ越した。はやくもこの廃れたなにもない場所を好きになっている。とくになにもないところだけど、走っている路線がすこし地元の在来線に似ているし。実家は電車が走る音や車が走る音が、遠くに聞こえてくるような場所で、この家も電車が走る音が遠くに聞こえて来て、なかなか良い。あと川がある。東京らしい、ああいう川です。

 

 毎年帰省する祖母の家の近くにも、川がある。夏に帰省するときは、すこし上流に行ってボロボロの赤い橋の下あたりでいつも潜っていた。もぐると、水は澄んでいるし、冷たくて気持ちよくて、魚もいる。大きな岩が転がっていてそれをピョンピョン跳ねながら移動していくのが好きだった。父と一緒に水切りをしたりして、わたしは2回くらいしかとばないのに、父はいつも遠くまで水切りしていて、こういう石の方が水切りしやすいよ、とかそういうのを教えてくれた。日が暮れてくると鳴る、ダム放流のサイレンがいつもすこし怖かった。そういうことを思い出せるし、川が近くにあるのはかなり良い。思い出せることがまだたくさんある。夏が切なくなって悲しいと感じるような季節に変わって来たのは、思い出す過去が眩しくてたまらないからなような気もする。

 

 過去に生きるのが好きだ、過去を後悔するのが好きだ、過去を振り返るのが好きだ。だから、そういう思い出して愛おしくなるような過去をもっともっと、つくっていきたいと思いました。わたしは未来を愛おしく眺めることは少し苦手だけど、過去のために現在を生きていくことなら、いっぱいできるような気がします。忘れてしまうことはたくさんあるけど、覚えていたいことも思い出したいこともまだまだたくさんある。いつかの私は、この7月のなにを思い出すのかな。

 


ぼくのなつやすみ【メインテーマ】高音質

載せがちですが今回も載せます